細密画はシルエットや大きな構造をとることを、書き込む前に必ず完成させておきましょう。
シルエットをトレーシングペーパーの上で完全に決めてから描画用紙にトレースしましょう。
描画用紙はケント紙が良いです。
表面や調子を描く段階で、何度も形を修正すると紙をいためたり、汚れた調子を作り出し細密画の持つ細密画のシャープさをそこなうからです。
1.トレーシングペーパーで形を取ります。
2.裏に濃い鉛筆を塗ります。
3.下に描画用紙を置き、上から鉛筆で軽くトレースします。
貝殻を描いてみましょう。
1.中心を軸に螺旋状になっています。ここでは円椎形の調子を使いますが、どんなモチーフも必ず基本形態の法則を見つける事が出来ます。
2.大まかに調子を捉えましょう。
3.完成です。細密画は大きな調子と書き込みを同時に線で表現しなくてはならないのです。細密がは一本の線も無駄に出来ない集中力が必要になります。
細部の書き込み、大きな形の流れ、と何種類もの視点を持たなくてはなりません。
一つの要素にこだわっているのでは、上達は難しいのです。
ものを基本的に置き換え大きな構造で見ようとする目と、
その質感を見極めようとする細かい目が、デッサンには必要です。
今迄は基本となる形をとらえ、光の状態を固有色の調子として置き換えてきましたが、
さらにものの存在に近づく為には、その素材の持つ肌触りや性質を描き分ける必要があります。
全体を大きく一度に見ていた目を、細かく観察する目に切り替えてもう一度見て、形をとらえましょう。
何を描こうとしていたのかを思い出しながらやるといいでしょう。
細部も立体として捉える
全ての物は凸凹で成り立っている。ということですが
彫刻家オーギュスト・ロダンは、形を捉えるのに決して表面で考えるな。でこぼこで考えなさい。
と若い芸術家達にという遺稿により言っています。
これは全体としても細部としても特徴を捉える時も同じ事です。
例にとり、トウモロコシを見てみましょう。
全体と細部のバランスは細部に特徴があるモチーフはとても重要です。
トウモロコシの構造は先端が細くなった円柱形なので、円柱の調子で全体の諧調を作ります。
次の問題点を挙げてみます。
トウモロコシらしさは種子が列をなして並んでいる状態にあります。
種子の1粒を取り出すと直方体に近い形になります。
ということはトウモロコシの1粒は直方体の諧調を持っているのです。
省略ととらえていないでは全く違います。
全体と細部のバランスは全体の諧調で暗示できるのです。
規則性を持つ細部ならば形の大きく変化する部分や手前の部分等を書き込みます。
有効な方法は部分的な細部の省略にあります。
リアリティーを生むためにも、細部をしっかりとらえ、その上で細部を省略する事が重要になります。
デッサンの描き方 - 立方体に当てはめる
あらゆる角度から多くの目で観る事は大切な事はご理解して頂けたと思います。
ですが、実際は一方的な方向から描くしかありません。
そこでデッサンの大切なプロセスを小さな立方体を作りながら再確認しましょう。
1 6つの側面に当てはめる
モチーフを触る事が出来、様々な角度から見る事のできる小型な物を選びましょう。
立体を作る素材は扱い易いもので、粘土などでも良いですので準備してください。カッターで切りながら制作しましょう。
立体では直方体から始めます。カットする部分に線を引きます。
2 角を落として面切りにします
ボリュームをつけます。様々な角度から見ましょう。
次に、カットする部分を意識しましょう。
3 曲線をひきます
自然な丸みを帯びた線で線を引きます。
4 触って確かめます
仕上げも全角度から見て捉え直しましょう。
完成です。どんな形でどんな仕組みなのか、形の本質に迫るには簡単で有効な方法です。
正確なシルエットや、トーンをつける事が重要となりますが、見える物を見るままに描くというトレーニングだけでなく、できるかぎりモチーフに接近し、本質を知り理解する事も大切です。
複数のモチーフがある場合、重なり合い死角になる部分があります。
見えない部分をよく見る事が見えている部分を描写するためのコツです。
見えない部分を想像し、捉える事も重要なのです。
見えていると思ってても、半分以上の部分を人間は観る事は出来ません。
全体像を捉える事も難しいのです。
最もモチーフがモチーフらしく見えるアングルを見つけること。
モチーフを観察していたそのアングルが表現しやすいか、考えましょう。
また、触れる事も見る事の次に重要な観察法になります。